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俯いて顔を赤くするイチの耳元で囁く
ピクリと反応したイチの肩に手を押いた
「好き…イチ」
「っやめて…」
「っ…なんで…」
顔を離してイチの顔を覗く
震える声のイチは目をぎゅっと瞑っていた
「…イチ…こっち向いて」
「っ…」
怖ず怖ずと顔を上げたイチは目を泳がせる
「駄目だよそんな顔しちゃ…」
「え?」
「それじゃあ…余計に相手を煽る…」
戸惑いながら見つめてくるイチに顔を近づける
「そこまで」
「「!?」」
現れたワタルはいじっていたケータイをポケットにしまった
「…邪魔するな」
睨み付けるとワタルは溜め息を吐いた
「スバル…良いこと教えて上げる」
俺からイチに視線を移したワタルは口角を上げた
「遠野維智…お前、ジンか?」
「え?」
ワタルからイチに視線を移す
イチはワタルをまっすぐ見つめていた
「…だったら何?」
「!…イチ、本当に?」
「あぁ…ジンは誰かが勝手につけた呼び名。それが何?」
嘘だろ…いや
それなら俺が吹っ飛ばされたのも納得できる
…じゃあ、俺は…イチを壊さなきゃいけないのか
「…そうか」
イチから体を離してワタルの横に立った
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