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「コウタ…痛い」 「…ごめんイチ…もう一個質問させて」 「うん?」 体を離したコウタは俺を見つめた 「…ヤマト先生とヤったの?」 「っ!…何で」 「噂になってる…本当なの?」 コウタから視線を外して俯く 「…うん」 頷くとコウタはため息を吐いた 「何で…ヤマト先生は兄貴だろ?」 「わかってる…」 「じゃあ何でっ…イチ」 両肩を掴んだコウタは俺と額をくっつけた 「頼むから止めて」 眉間に皺を寄せて目を瞑るコウタは苦しそうだった 「…コウタ」 そっとコウタの頬に触れて名前を呼ぶ ゆっくりと開いた目をまっすぐ見つめた 「もうしてない…ヤマトとは一度だけ…俺、あの時おかしくなってて…その時にヤマトは俺を支えてくれた」 目を瞑って微笑む 「ヤマトは俺にとって大切な存在なんだ…」 「っそれってヤマト先生が好きって事?」 好き… 「俺は…」 顔を上げてコウタを見つめた 「今までにちゃんと好きになったのはハジメだけだった。ハジメが全てだった…俺にはハジメしかいなかった」 肩に触れるコウタの手がピクリと動いた 「今は…ヤマトもコウタも、みんないて、みんな大切…でも俺は…っハジメ以上に誰かを好きになれない」
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