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「はぁ…」
病院から寮の部屋に帰った
「イチ」
「…ヤマト…何?」
部屋で着替えていればヤマトが部屋に入ってきた
あの一件の後、ヤマトは傷が治るまで1階にある寮管の部屋の隣に住んでる
「…」
「ヤマト?…っ」
無言のヤマトは俺を抱きしめた
「…ヤマト?」
「少し…いいか?」
「うん?」
体を離したヤマトはベッドに腰掛けてこちらを見る
横に座ればまた抱きしめられた
「どうして…どうして消さないんだ?」
「…あぁ」
俺は目を細めて傷に触れた
「忘れたくないから…思い出したことも…起きたことも全部」
「なんでっ…」
ヤマトの声は苦しさが混じっていて
「ハジメは…俺にとって大切な存在なんだ」
「っイチ」
そのままベッドに押し倒された
「イチっ…アイツはっ」
「ごめん…ハジメはヤマトに酷いことした…でもハジメは大切なんだ」
ヤマトの頬に触れれば手を握られた
「俺はあんなの気にしてない…俺は、イチがアイツに…っ」
泣きそうな顔をしたヤマトは俺の肩に顔を埋めた
その頭を撫でながら瞼を瞑った
「ハジメもヤマトも…みんな俺にとって大切な存在だよ…ヤマト」
顔上げたヤマトに微笑む
「ありがと」
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