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「…くそっ!」 ドアが閉まる音に壁を殴りつけた 「ふざけんな…」 自分を痛めつけたい 俺はイチを傷つけた 怒りに任せて何も考えずにイチを傷つけた 「…はぁ」 気持ちを静めようと煙草を取り出す 「…」 火を点けるが吸う気になれない 何であんな事言ったんだろ イチがアイツの事で落ち込んでたのを知ってたのに イチにとってアイツが大切なんだって知ってたのに… ―ガチャリ 「っ!…リツヤ」 ドアが開く音に顔を上げるがそこに立っていたのはイチじゃない 「…どうした」 「…いや」 顔を逸らして灰皿に煙草を押し付けた 「…遠野はどうした」 「出て行った…俺が傷つけたせいで、出て行った」 リツヤの近づく足音がして顔を上げた 「どこに行った」 「…わかんない」 リツヤの眉間に皺が寄った 「わかんないだ?…今の状況をわかってんのか」 「え?…っ!」 リツヤに胸ぐらを掴まれた 「遠野は今狙われてるんだぞ…アイツらに狙われてる。わかってんのか?」 「…っ!」 どうしよう… イチが危ない 立ち上がった俺は急いで部屋を取び出した
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