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「覚えてないのか?…まぁ、そうだな。会ったのはお前が小学生くらいの時だったし」 「…そう」 俺から顔を逸らしたジンはまた空を見上げた 「…何を見てる」 「……」 反応しなくなった 俺を無視するとはいい度胸じゃねぇか 立ち上がってジンの視界を塞ぐ 「…何」 俺を見るジンの目に覇気がない まぁ…良いか ジンの肩に手を伸ばして触れる 無表情で見つめてくるジンに目を細めた 「遊ぼうぜ」 「?…っ!」 服を掴んで投げ飛ばした 地面に倒れたジンはゆっくりと起き上がる 「…何なの」 ジンの目には相変わらず覇気がなかった 「つまんねぇ…」 起き上がったジンの腹に蹴りを入れる 抵抗しないジンはまた地面に倒れた その後も蹴りとパンチを喰らわせる それでもジンは無抵抗のままだった 「遊べよ…なぁ」 起き上がらなくなったジンの髪を掴んで顔を上げさせる 俺を見つめるジンは口を閉ざしたまま 額から流れる赤い血がジンの顔を伝う ぞわりと鳥肌が立った 成る程…アイツが大事にするわけだ 「やっぱりお前を狙って正解だな…」 口角を上げるとジンの眉がピクリと動いた
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