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ジンは視線を動かしてどこかを見つめる
「?…ぁ」
辺りが騒がしくなっていく
「はぁ…今日は終いだな…ジン」
「っ!」
最後に一発頬にパンチを喰らわせる
手を離すとジンはまた地面に倒れた
「次は楽しませてくれよ」
立ち上がって反応の無くなったジンを見下ろす
ぽつりとジンの服が濡れた
「あ?…っ」
空を見上げる
顔にぽつりと雫が落ちてきた
「チッ…帰るか」
ジンを一瞥して踵を返す
徐々に強くなる雨を無視してバイクに向かった
つまんねぇ…が、アレは良いな
先程の光景と鳥肌にニヤリと笑った
バイクに向かって歩いていると数人の不良が小走りで辺りを見渡していた
ふと見知った男が向こうから歩いてきた
俺に気づいていないのかソイツは横を向いて歩く
「…ようARGUS」
すれ違う所でぼそりと声を掛けた
向こうが殺気立つのを感じながら振り向かずにバイクに向かう
後ろで走り出す音が聞こえて口角が上がった
バイクに跨る
小降りだった雨が次第に強くなっていった
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