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公園の入り口に停められた遠野のバイク その近くに見たことのあるバイクが停まっていた 嫌な予感がした すぐメンバーを呼び出して公園全体を探した 降り始めた雨が一層嫌な気分にさせる 遠野を捜しながら歩く 「…ようARGUS」 いきなり声を掛けられた 聞いたことのある嫌みったらしい声 コイツがピンピンしてるって事は… すぐに走り出した 自分に言い聞かせながら …ジンが負けるはずない それでも 「っイチ!」 遠くで聞こえたコウタの声に鼓動が速くなる 遊具のある開けた場所でコウタの背中が見えた コウタに抱き上げられた遠野は意識がないのか腕がだらりと落ちる 目眩がした っ駄目だ…俺はヘッドだ 狼狽えるな 「…コウタ」 「っリツヤ」 俺に気づいたコウタは眉を下げて俺を見つめてくる コウタは遠野の事になると弱くなる 「ひとまず…手当てだ。行くぞ」 遠野を見つめて眉を寄せたコウタの肩に触れた 「…俺のせいだ」 「後悔する暇があるなら遠野を運べ…後悔はそれからだ」 「っわかった」 頷いたコウタと駆けつけてきたメンバーと一緒に戻る アイツ…あの傷顔の男は遠野を捜してた ただ喧嘩するため?…違うな 何かある…
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