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紺と白のチェック柄のエプロンを身に着けた加賀は、何故か顔の上半分を覆う水泳用のゴーグルを装着している。
皮膚をきつく締め付けるゴムバンドの隙間からは、硬そうな手触りの黒い髪がはみ出ていた。
「おぉ、来たかチワワくん!」
加賀は僕の姿を見留めると、鷹揚な仕草で片手を挙げる。
彼は何故か僕の事をカノとは呼ばず、チワワと呼んでいた。
加賀いわく、「でっかい目をうるうるさせて、いつもぷるぷる震えているから」 と言う事らしい。
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