4話

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「パスタだ」 「…………」 「女の子の好物といえば、パスタだ」  加賀は更に表情を引き締めて、自信満々に彰吾に答える。やたらと男前な顔つきだった。  パスタのソースを作るつもりだったのだろうか。  僕は豚肉やら牛肉やら、果ては白菜などが転がる調理台の上に目を移す。  そして素朴な疑問を口にした。 「パスタの種類は何ですか?」 「冬といえばクリームソースだ」 「…………」  うん。決して間違ってはいない。  確かに寒い時期にはクリームソースが好まれて、暑い時期には酸味の効いたトマトソースが好まれる傾向にある。  そしてどちらも玉葱を使用する事は確かだった。
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