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今度は僕が深く頷いた。そして頷いた所で更なる疑問が浮上して来る。
「加賀さん、クリームソースの作り方は知ってるんですか?」
思わず口をついて出た質問に、加賀は迷う事なくはっきりとこう断言した。
「知らん!」
やはり男前だった。
生ゴミが散乱する厨房に、暫し静寂が訪れる。
どこか遠くで風に叩かる窓の悲鳴が、静かな室内に運ばれて来た。
ややしてから、彰吾が遠慮がちに口を開く。
「とりあえず掃除して下さい」
異論はなかった。
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