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「あぁ、その皿は確かこっちにしまってあったわ!」
僕の質問に加賀は床に落としていた目を上げると、モップを手にこちらを振り返る。するとその反動で、モップの柄が皿の山に激突した。
ガッシャーン!
けたたましい破砕音を響かせて、積み上げられた皿の山が崩落する。
そのせいで、ようやく地面が見え始めていた床の上が、再び無数の破片で覆われてしまった。
「加賀さんっ?!」
「あわわ……すまねぇッ!」
加賀は砕け散った破片を目にして、狼狽したように宙で手を泳がせる。
慌ててモップを握り直すと、床の上で振るい始めた。
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