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「あ、駄目ですよモップかけちゃ!」
僕は急いで加賀を止める。
「モップを絞る時に手を怪我しちゃいますから、先ずは大きな破片を拾ってから残りは掃除機で吸い取りましょう」
そう言って、床の上に屈み込んだ。
すると加賀のスニーカーの上に付着している、細かな破片が目に映る。
底の厚いスニーカーは生地もやたらと分厚く出来ており、この様子だと素足は無傷であるように思われた。
つくづく館内が土足で上がれる仕様になっていて良かったと、ほっと安堵の溜息を零す。
「加賀さん、じっとしていて下さいね?」
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