6話

2/7

264人が本棚に入れています
本棚に追加
/401ページ
 どこから持ち出したのか、卓上には開封済みのワインボトルが数本転がっている。  その周囲には恐らく持参したのであろう、チーズやスナック菓子の袋が散乱していた。 「お腹減り過ぎて飲みまくっちゃったわよ!」  酒気に頬を染めた蓮美が不満の声をあげる。  一体どれくらい飲んだのだろう。彼女の前には他の二人に比べて、明らかに多い空のボトルが並んでいた。  因みにヴィンテージ物だった。一体幾らくらいするのだろう。 「ごめんねぇ蓮美ちゃん! つい料理人としてのこだわりと情熱が暴走しちゃってさぁ!」  ワインの値段を想像して青褪める僕の隣りで、加賀が猫撫で声を発しながら身をくねらせる。
/401ページ

最初のコメントを投稿しよう!

264人が本棚に入れています
本棚に追加