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オカルト好きな彰吾と知り合ってから、僕は何かにつけて彼のサークル活動に付き合わされている。
夜中に突然呼び出されたかと思えば、朽ちかけた廃病院や廃屋の探検に連れて行かれたり。意味もなく深夜に何度もいわくのあるトンネルを車で往復させられたりと、これまでにも散々あちこち連れ回されて来た。
僕はじっとりと傍らに立つ、彰吾の顔を睨め上げる。
彼は僕よりも二十センチ高い、百八十という長身だった。
なので話す時は自然と見上げる形になってしまう。
嬉々として館内探索を始めた女性陣を見送っていた彰吾は、僕の胡乱な視線を感じ取ったのか直ぐさまこちらに目を戻した。
「ん?」
片眉を引き上げて、穏やかな微笑を湛えながら窺うように顔を覗き込んで来る。
眼前に迫るその容貌は、同性の僕の目から見ても小憎らしいくらいに整っていた。
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