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頭頂部から腰辺りまでを映すその鏡には、色白の少年の姿が見えた。
実際にはもう青年と呼ばれる年齢なのだが、小柄で肉付き悪い為か未だに高校生くらいに見られてしまうのだ。
貧相な体でぶるぶると震えながら足踏みをしているその間抜けな人物は、今の僕自身の姿だった。
寒さにより一層白くなった顔は小さく、中心にはこれまた小さく低い鼻が乗っている。
唇はやや肉厚でぽってりとしており、鼻と同様にそれも小さい。
全体的に小作りな顔立ちなのだが、目だけが異様に大きくそれがアンバランスに思えた。
不精を極めて伸ばしっぱなしになっている髪は、間もなく肩に届そうな中途半端な長さだ。
前髪も、今では目にかかる程の長さがある。
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