7話

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 確かちゃんと閉めたはずなのになと、僕は首を捻りながらもサッシに手を伸ばす。  防水加工の施された重量のある扉が、バタリと大きな音をたてて閉まった。それを確認してから、僕は再び前を向く。  気を取り直して頭を洗おうとシャンプーに手を伸ばした。  備え付けの棚に目を移し、そして僅かに前屈みになった所で背中にひやりとした空気を感じ取る。  振り返ると、閉めたはずのサッシがまた薄く開いているのが目に入った。 「……?」  建て付けが悪いのか。  それとも何かが挟まっていてちゃんと閉じられないのだろうか。
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