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8話
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「あれ……?」
シャワー後。部屋に戻るなり僕は首を傾げた。
厚手のリネンのパジャマ姿の僕は、首にバスタオルを掛けたまま落ち着きなく周囲に目を走らせる。
上手く表現出来ないのだが、室内の様子に微かな違和感を覚えたのだ。
湯上がりの湿った頬に吹き付けて来る暖かな風に、ようやくその正体に気付く。
空調が作動していた。
シャワーを浴びる前は暖房を入れていなかったはずなのに、戻ってみれば丁度良い室温に保たれていたのだ。
僕はポカンと口を開けて、暫し天井を見上げる。
自動で暖房が入る設定になっていたのだろうか。
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