8話

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 頭皮に違和感を感じて急速に意識が覚醒しはじめた。  何かに髪を梳かれている。  人の手指だ。  僕の額から頭を撫でるように指を差し込んで、前髪を柔らかく梳かしている者がいる。  その手つきは慎重だと感じるほどに丁寧で、どこかくすぐったさを覚えた。  一体誰だろう。  僕は閉じていた瞼をゆっくりと持ち上げた。
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