8話

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 しかし視界に映るのは無機質な天井のみで、今は明かりを落とした照明器具とエアコンの送風口があるばかりだった。 「……?」  気のせいだったのだろうか。  ベッドの周囲を見回しても、先程と変わらず家具が整然と並ぶ光景がある。  僕はごろりと寝返りを打つと、再び瞼を落とした。  するとギシリと乾いた音をたてて、ベッドが沈み込む。 「――?!」  自分の体重以外の重さを受けて、体の横が大きく傾いだ。  何かが、いる。
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