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そういう思いをこめて、僕は彰吾の目をじっと見つめ返した。
すると彼はうっと息を詰まらせて、何故か動揺したように慌てて明後日の方向に目を逸らす。
「早く部屋に行こうぜ!」
僕の手から引ったくるように荷物を奪うと、素早くこちらに背を向けた。
「待ってよ!」
「カノちゃん置いてくよ~!」
ボストンバッグを肩に担ぎ上げてさっさと歩き出した彰吾に続き、頭上から部長の声が降って来る。
見上げると、既に全員が荷物を手に二階へと上がっていた。
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