8話

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 しかし見えない何かに下半身を抑えられていて、自由になるのは両手だけだ。  その手も、空を掻くばかりで一向に何かを掴める気配がない。  目の前には確かに何かがいるのに、こちらからは触れられないのだ。 「んむぅ~……っ!」  唾液腺が刺激されて、口腔内に溢れて行く。  するとじゅるりと水音を響かせて、勢いよく唾液が吸い上げられた。  飲み込み切れないものは口端から零れ、首筋へと流れ落ちる。  今自分は何をされているのだろう。
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