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「むがっ――むぐぅうう~!」
僕はせめて口を塞ぐ何かから逃れようと、必死に顔を背けた。
するとそれまで口腔を這い回っていた物体が、ぬるりと引き抜かれる。
代わりにがぶりと固い物で、叱り付けるように下唇を挟まれた。
「ぴゃっ?!」
そのまま、やわやわと数回に渡って唇を挟まれる。
そこで僕はようやく気付いた。
これはもしかして、歯ではないのか。唇を甘噛みされているのではないのか。
そう気が付いた瞬間、頭を殴られたような衝撃が僕を襲った。
何だか分からないが、幽霊にセクハラをされている。
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