9話

5/11
前へ
/401ページ
次へ
「あだっ!」  その際ベッドヘッドに思い切り頭をぶつけてしまったが、痛みを感じる余裕などなく。  布団から体を引き抜くように上にずり上がると、ベッドから飛び出した。 「っきゃぁあああ~!!」  絹を裂くような甲高い悲鳴と共に、部屋の扉にかじりつく。  焦る余りに何度もドアノブを空回りさせて、苦労の末にようやく開いた。  そしてばたばたと素足のまま廊下を駆けて行くと、とりあえず一番近い隣人に救いを求める。 「開けてぇ彰吾ぉおお~っ!」
/401ページ

最初のコメントを投稿しよう!

264人が本棚に入れています
本棚に追加