10話

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 急速に重さを増して行く瞼に逆らわず、僕は目を閉じる。  するとその直後。 「きゃぁああーっ!」  甲高い悲鳴が轟いた。 「?!」  閉じたばかりの瞼を引き上げて、天井を見据える。耳に全神経を集中させた。  一体何事だろうか?  耳を澄ませてみると何やらばたばたと、人の走り回る足音が聞こえて来る。  僕は素早く身を起こすと、隣りの加賀を揺り起こした。
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