10話

7/12
前へ
/401ページ
次へ
 部屋の前で一塊になっている彼女達の様子に、ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか。ようやくすっきりとした顔付きで加賀が声を掛けた。 「幽霊よ! 幽霊が出たのよ!」  駆け付けて来た僕達の姿を見留めて、三木 香澄が金切り声を上げる。  その傍らでは青褪めた表情の真鍋 圭子が立っていた。 「幽霊?」 「香澄が部屋に出たって言うのよ」  香澄の言葉を反駁した僕に、唯一落ち着いた様子の蓮美が小さな頷きを返す。 「シャワー室に大きな鏡があるじゃない? そこに映ってたらしいのよ……子供の幽霊が!」
/401ページ

最初のコメントを投稿しよう!

264人が本棚に入れています
本棚に追加