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「香澄?」
無意識に吐き出したのであろう自分の言葉に、香澄は急に力を得たように顔を上げる。
「そうよ、こんな所に泊まるなんて無理だわ!」
「香澄、落ち着いて!」
圭子が諌めるも香澄は全く耳を貸さず、慌ただしく部屋に戻って行った。
先程まであんなに部屋に入る事を怖がっていたのに、そんな事はなかったかのような切り替えの早さだ。
「香澄、今から帰るなんて無理よ!」
「そうよ、バスも電車も動いてないのよ?!」
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