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「ところで奏はどうして電話を掛けてきたんだ?」
廉達の目も気になる所だがあえて気付いていないフリをする。相手にするのが面倒くさい。
『ああ、歩のせいで忘れるとこだったわ』
「俺のせいかよ……」
『なら私のせいなのかしら? まぁそれはさておき、歩。今学年一の頭脳を持つ私に助けて欲しいことが有るでしょ? ていうか有るって言いなさい』
強制かよ……。と俺は呟く。
要するにどこで知ったかは知らないが、追試で困っている俺を助けてあげようと言っているのだろう。なら、お言葉に甘えて助けてもらおう。このままじゃマジでヤバい。
「その通りでございますー。明日の追試の為にあなた様のお力をお貸しくださいませー」
『気持ちが全くこもっていないけれど、助けてあげるわ。私の優しさに感謝しなさい』
へいへい。と俺は適当に返事をし、場所を伝えようとするが、奏はそれを断った。
何故? と疑問を抱くが、その疑問は後ろから聞こえる声によって解決した。
「だってもう居るんですもの」
振り返ると、神無月奏。マイハニー(笑)がそこにいた。
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