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病院室に入ると
菜々香は嬉しそうに
笑った。
「お兄ちゃん、咲良。毎日ありがとう。」
「先生なんかいってた?」
真也は両親が共働きの
せいかしっかりしていて
面倒見がいい。
そういうところも
私が真也に惹かれた所の 一つだ。
「明後日には退院できるって。」
菜々香は可愛らしく
笑った。
真也もそれにこたえる
ように笑う。
私は知っている。
彼が妹に恋をしていた
ことがあることを。
「奈々香、お花買ってきたから花瓶のお水かえてくるね。」
窓際に置いてあった
花瓶を持ちながら
私は言ったが
真也が私が持っていた
花瓶をそっととり
俺が行くよといい
行ってしまった。
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