放送委員

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放送委員side 「では皆さん。今日も一日頑張りましょう」 今日もまた朝の放送を終え、ゆっくりと息を吐き出す オレは放送委員で部活も放送部。 だけど委員会と部活共々部員はオレひとりで、は楽と言えば楽なんだけど、寂しくないのかと聞かれれば迷わず寂しいと答えてしまうだろう。 「うん、オレって結構寂しがり屋だったり? 放送なんてしてるわりに目立つの嫌いだし?いや嫌いじゃないけど苦手だったりするし。」 なぁんて、一人で喋っていたってつまらない訳だけど、この少し広めの放送室に居るから痛い子発言するんだよ。 とか言っていつも、あーだこーだ言って喚いているんだ。まぁ、外に声がもれる心配ないから安心安心。 防音って素晴らしいね! さてと、今日も朝の放送は終了したし人気のない今の内に放送室出ないと周りにバレるからさ。 バレるって言うのは毎日放送してるのは誰か、未だに全校生徒に知られてないから。 後、教師も一部を除いては知られてないから放送をしている事はオレのちょっとした秘密だったりする。 窓の鍵がしまっているのをチェックして扉の向こう側から足音がしない事を確認し終えたらサッと廊下に出てなに食わぬ顔で教室に向かう。 我ながらなんて素早い動きなんだってたまに感激してたりする。 自惚れ乙なんて言わないで……心がもたないから……。 そんなこんなで、現在教室前。 展開早いとか気にしたら負け。 そんなこんなって言葉便利! ガラガラっとドアを開ければ、お喋りタイムな生徒達のグループが目に入って来るけど気にしたらいけない。 どうせ俺の存在なんて平凡顔な生徒Aなんですから! 自分で言ってて悲しくないよー。 だって事実なんだし だから目から何か流れてきてるなんて知らない きっとこれは、そうアレだ。汗だからさっ。 ……………席に着くか。 何だか虚しい様な感情と共に席に着いて鞄を置くと、早々に机に突っ伏して小さくため息を吐く。 わかってる。 どうせオレ何かの放送誰も聞いてないって事。 でも心が締め付けられる。 「放送、辞めようかなー」 オレの小さな呟き。 相変わらずネガティブ思考にいい加減呆れる。
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