放送委員

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「はぁ…」 再びため息を一つ。 鞄に乱雑に詰め込んだ教科書を机にしまって、筆箱からシャーペンを一本、胸ポケットから手帳を取り出して日課の『書き込み』。 『 7月10日 天気 晴天 照りつける太陽が眩しい。 夏特有の暑さに体は早くも悲鳴を上げている。 たんに気だるいだけだけど。 これから先熱中症にならないか心配。 今日も変わらず教室は生徒達のお喋りで賑わいを見せている。 誰も放送は聞いていなかったようだ。 少し悲しいけど、今更だからいい加減諦める様に努力しようと思う。 人間は諦めが肝心と言うから。 でもやっぱり悲しいモノは悲しい。 いつになったら吹っ切る事が出来るのだろうか───8時13分』 自分にしては綺麗な字で書き込みを終え、時計の差す時刻を書く。 毎日時刻はバラバラだけど、大体8時台に最初の書き込みをしているオレの『書き込み』は大半が自虐的な言葉で埋め尽くされている。 まぁ『書き込み』をする事で何だがスッキリするからいいんだけど。 SHRの始まりのチャイムが鳴って、ガタガタと慌てた様子でクラスメイトが席に着くのを見ていてもどうにもならないけど、視線が向くのは仕方ない。 教室に担任の先生が入って来て、点呼と朝の連絡したら5分たらずでSHR終了。 担任先生は相変わらず面倒くさがりなようです。 っという勝手な解釈をしながら、一時間目の準備。 今日は朝から数学なんだ………。 憂鬱過ぎるっ! 朝から数学は睡眠時間と同じだろう。いや、朝からじゃなくても数学は睡眠時間だ。ドヤァアァ! 無意味なドヤ顔すんません。 さーてと、気を取り直して黙々と授業を受ける。 淡々と数式解いて、話を受け流して一時間目は終了。 そんな感じで二時間目から四時間目まで適当に受けて、昼休み。
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