冷たい瞳の末路

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 王国が負け、戦線を立ち上げてから一ヶ月が経とうとしている。終わりの見えない戦闘を繰り返し、頭数を減らし、それでも戦い続ける。悪あがきにしても随分出来が悪いということは、メルランも重々承知しているところである。  そろそろ何らかの行動をおこさなければならないのだろうが……。  と、メルランは立ち止まり、帝国軍のあるであろう方向を一瞥する。  帝国軍の軍勢は変化がない。兵士をトカゲの尻尾のように扱い、物資は掃いて捨てるほどある。戦線とは違って補充がきくし、消耗戦で都合が良いのは帝国側であるから、恐らく自分という唯一の懸念材料が孤立するまで仕掛けてくることはないだろう。特に、相手の指揮官の性格を考えると、間違いない。  メルランは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、首を横に振る。  このままでは、どうしようもない。こちらが何か仕掛けないといけないのは帝国側も理解していることであろうし、対策もしてあることだろう。  「とりあえず、皆のところにもどらなければ」  メルランは自らに言い聞かせるように言った。
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