20人が本棚に入れています
本棚に追加
『ん?何だよ……こんな深夜によ………』
と、言うウィルは多分寝起き、起こして悪いな。
「ウィル、今から送るデータ、見て覚えたら消せ」
『!!………はいよ、了解~』
俺の言っている意味に気付いたウィルは、辺りに気付かれないように口調をいつも通りにした。ってか、周りに誰かいるのか?
そして、俺は腕輪からウィルの腕輪にデータを転送する。
一応、腕輪同士なら通信は可能。しかし、携帯があるため、携帯使いながらの場合は腕輪での通信が使われる。
『………ほい、覚えたぜ。んで、隊長達はどうすんの?』
「ああ、俺とイクス、アムの三人で動く」
『つまり、通常トリオで………っと言う訳か』
まあ、あながち間違いじゃないが………。通常トリオって言うか、何時も通りが正しいだろ。いや、変わらないか。
「ああ」
『んで、移動手段は?』
「輸送機が妥当じゃないか?」
戦艦なんて持ち出したら大事だし。
『サイズは?』
「とりあえず、七機まで収容可のやつ」
『中型ね、了解了解~』
輸送機は小型が三機程度、中型が七機程度で大型が十二機程度だ。ま、機体サイズによるが。
「あと、すぐに向かうから、使えるやつをすぐに動かせるようにしてくれ」
『はいはい、伝えとく』
「あと、雑務はお前とお前が選ぶ三人に任せる」
『はいよ………って俺までもか!?』
「当たり前だ」
ウィルは一応アークセラフィムの副リーダーだし。任せるのは普通だ。
『………分かったよ』
「ああ、今から六番格納庫からイグニス乗って行くから。………ああ、ターミナルに申請していてくれ」
『勿論………』
「権限だろうが何だろうが使って構わない」
許可取る時間さえ勿体ないからな。
俺は電話を切り、パイロットスーツに着替え、その上に私服を着て格納庫へと向かった。
二つの物影に気付かず。
最初のコメントを投稿しよう!