悲劇の始まり

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『ん?何だよ……こんな深夜によ………』 と、言うウィルは多分寝起き、起こして悪いな。 「ウィル、今から送るデータ、見て覚えたら消せ」 『!!………はいよ、了解~』 俺の言っている意味に気付いたウィルは、辺りに気付かれないように口調をいつも通りにした。ってか、周りに誰かいるのか? そして、俺は腕輪からウィルの腕輪にデータを転送する。 一応、腕輪同士なら通信は可能。しかし、携帯があるため、携帯使いながらの場合は腕輪での通信が使われる。 『………ほい、覚えたぜ。んで、隊長達はどうすんの?』 「ああ、俺とイクス、アムの三人で動く」 『つまり、通常トリオで………っと言う訳か』 まあ、あながち間違いじゃないが………。通常トリオって言うか、何時も通りが正しいだろ。いや、変わらないか。 「ああ」 『んで、移動手段は?』 「輸送機が妥当じゃないか?」 戦艦なんて持ち出したら大事だし。 『サイズは?』 「とりあえず、七機まで収容可のやつ」 『中型ね、了解了解~』 輸送機は小型が三機程度、中型が七機程度で大型が十二機程度だ。ま、機体サイズによるが。 「あと、すぐに向かうから、使えるやつをすぐに動かせるようにしてくれ」 『はいはい、伝えとく』 「あと、雑務はお前とお前が選ぶ三人に任せる」 『はいよ………って俺までもか!?』 「当たり前だ」 ウィルは一応アークセラフィムの副リーダーだし。任せるのは普通だ。 『………分かったよ』 「ああ、今から六番格納庫からイグニス乗って行くから。………ああ、ターミナルに申請していてくれ」 『勿論………』 「権限だろうが何だろうが使って構わない」 許可取る時間さえ勿体ないからな。 俺は電話を切り、パイロットスーツに着替え、その上に私服を着て格納庫へと向かった。 二つの物影に気付かず。
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