20人が本棚に入れています
本棚に追加
気がついた時には辺りが真っ赤----熱いから炎だろう----が、包んでいた。
そして、俺と一緒にいた二人の男女の姿が見当たらない。
俺は、必死で二人の名を呼び、探したが、いない。逃げたのか?俺だけ逃げ遅れた、のか?
そう思いつつ、二人を探す。
炎の臭いで二人の匂いが分からない。が、勘を頼りにするしかない。
「くそっ!何なんだよ、これは!!」
どこまで行っても辺りは赤く、熱が体力を奪う。
村に一回戻ったが、村に人は居なくて、代わりに巨人らしきものがいた。
「大土地(つち)神様、なのか………?」
俺達の村に伝わる伝説だ。
大土地神様が目覚めた時、新たな戦が始まる。
詳しくは知らない、けど、今目の前で起こっている事実だ。
だけど、大土地神様が複数いるわけがない!
「大土地神様は一体のはず………」
よく遊びに行っていたからわかる。大土地神様は一体しかいない。
じゃあ、アレは偽物………?
「うわっ!?」
巨人に追われていた俺は、村の近く川があるのを忘れていたせいで川に飛び込む形で落ちた。この川、無駄に深いから、いい泳ぎ場所なんだよ。
俺は、川を利用して、泳いで上流を目指した。
そこなら、洞窟がある。皆、そこにいるはずだからな。
最初のコメントを投稿しよう!