悲劇の始まり

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気がついた時には辺りが真っ赤----熱いから炎だろう----が、包んでいた。 そして、俺と一緒にいた二人の男女の姿が見当たらない。 俺は、必死で二人の名を呼び、探したが、いない。逃げたのか?俺だけ逃げ遅れた、のか? そう思いつつ、二人を探す。 炎の臭いで二人の匂いが分からない。が、勘を頼りにするしかない。 「くそっ!何なんだよ、これは!!」 どこまで行っても辺りは赤く、熱が体力を奪う。 村に一回戻ったが、村に人は居なくて、代わりに巨人らしきものがいた。 「大土地(つち)神様、なのか………?」 俺達の村に伝わる伝説だ。 大土地神様が目覚めた時、新たな戦が始まる。 詳しくは知らない、けど、今目の前で起こっている事実だ。 だけど、大土地神様が複数いるわけがない! 「大土地神様は一体のはず………」 よく遊びに行っていたからわかる。大土地神様は一体しかいない。 じゃあ、アレは偽物………? 「うわっ!?」 巨人に追われていた俺は、村の近く川があるのを忘れていたせいで川に飛び込む形で落ちた。この川、無駄に深いから、いい泳ぎ場所なんだよ。 俺は、川を利用して、泳いで上流を目指した。 そこなら、洞窟がある。皆、そこにいるはずだからな。
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