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ああ、そうか。
今思い返して見れば、七夕の日に僕を誘って星を見に行ったのも思い出作りだったんだな……。
その時に織姫と彦星の話をしたのも……もしかしたら。
……僕って馬鹿だな。
こんなに長い時間一緒に過ごしてたのに、夏凛の気持ちが全然分かっていなかったなんて……。
「夏凛……」
「ん? 何?」
僕は夏凛に背を向けたまま、立ち上がる。
そして―――
「僕は、夏凛が好きだ」
告白した。
恥ずかしくて夏凛の顔を見る事は出来ないが、しかし、いま確かに自分の想いを口にした。
「だから、向こうに行っても僕の事を忘れないで欲しいし、いつか戻ってきて欲しい」
「春吉ちゃん……」
夏凜は呟く様に僕の名前を呼んだ。
「そう言う事はちゃんと私を見て言って欲しいな……」
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