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……やっぱり、そうなるか。
自分でも解っていた事ではあるけれど、漫画でもドラマでも告白するシーンは目を見て言っているからな……。
振り向いて夏凛の顔を見る、そう考えただけで更に高まる心臓を抑えつつ、僕は振り向いた。
「私も春吉ちゃん、大好きだよ」
僕が後ろを見ると同時に夏凛が真剣な眼差しで言った。
夕焼けじゃない色で頬を染めながら。
「私は絶対こっちに戻ってくるから……それまで私の事好きでいてくれる?」
モジモジと体を揺らしながら、時折僕から目をそらしながら言う夏凛を見て、僕は一人理解した。
そっか……やっぱり、夏凛も緊張してるんだ、と。
「ああ、約束する」
僕は頷くと、改めて言う。
自分の気持ちを。
「僕はずっと夏凛の事が大好きだ」
「うん、絶対……約束だよ」
そう言って夏凛は微笑んだ。
紅潮させた頬のまま、夏凛は僕の隣に腰を下ろし、僕も座るように促す。
夏凛に誘われるまま、僕は座り込むと、二人揃って何も言わずに夕陽に染まっていく街並みを見下ろした。
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