7月の出来事

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   ……やっぱり、そうなるか。  自分でも解っていた事ではあるけれど、漫画でもドラマでも告白するシーンは目を見て言っているからな……。  振り向いて夏凛の顔を見る、そう考えただけで更に高まる心臓を抑えつつ、僕は振り向いた。   「私も春吉ちゃん、大好きだよ」  僕が後ろを見ると同時に夏凛が真剣な眼差しで言った。  夕焼けじゃない色で頬を染めながら。 「私は絶対こっちに戻ってくるから……それまで私の事好きでいてくれる?」  モジモジと体を揺らしながら、時折僕から目をそらしながら言う夏凛を見て、僕は一人理解した。  そっか……やっぱり、夏凛も緊張してるんだ、と。 「ああ、約束する」  僕は頷くと、改めて言う。  自分の気持ちを。 「僕はずっと夏凛の事が大好きだ」 「うん、絶対……約束だよ」  そう言って夏凛は微笑んだ。  紅潮させた頬のまま、夏凛は僕の隣に腰を下ろし、僕も座るように促す。  夏凛に誘われるまま、僕は座り込むと、二人揃って何も言わずに夕陽に染まっていく街並みを見下ろした。
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