不幸中の幸い

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side:アイク 目を開ける。人間ならばというか、生き物ならばごく自然な行為と言っていいほどのことなのに、それが今はとても憂鬱に感じる。 ついさっき、俺は死んだ。死因はありふれた交通事故。一瞬だったから痛みなんてなかったんだが、問題はその直後。 白く何もない空間にいた。とにかく白く何もない。そんな空間で俺は奴と出会った。 そう、いわゆる神様だ。けどこの神様、どういうわけか2次元キャラみたいな容姿で出てきた。何でも、生前その人間が一番慣れ親しんでいたものを投影しているらしい。 そしてこの神様、どうやら俺を間違って死なせてしまったらしく、エラく機嫌が悪かった。上司に怒られたらしいよ。  神様にも上司っているんだな。 そんで逆ギレした神様は元の世界に転生できない代わりに俺が生前一番好きだったアニメの世界に転生させてくれるらしかったのだが、なんせ逆ギレ中。中途半端な時期な上になんだかよくわからない場所に放り出されちまった。 「もうちょっとしっかりしてくれよ…」 ん~、空が青い。 そして左手が赤い。 近くの池をのぞって見る。 年齢、推定10歳前後。髪、銀。というか白髪なのか? そして目だが、一番あってほしくなかったオッドアイ。テンプレだよ……。 まぁ現状そんなわけで。唯一助かったことといえば服を着ていて名前がアイク・ウォーカーってのだけ。もう名前とこの左手だけでだいたい何かわかった。あまり深く突っ込まない方がいいな。
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