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「ガキ、力を望むか?」
弾丸のような雨が降りしきる荒地で、一人の男が倒れた少年に問いかける。
「……力なんて、いらない。俺は……平和を望むッ!」
少年は雨で濡れているのか、涙なのか鼻水なのか分からないほどのぐしゃぐしゃの顔で叫ぶ。
「ふん、平和か……。だったらお前が造り上げてみな、平和な世ってやつを。俺も手伝ってやるよ」
少年は男の言葉に心を打たれたように固まる。
「俺が……?」
「そうだ、あくまで俺は協力者、実行するのはお前だ。どうだ、やるか?」
男が少年に手を差し伸べる。
「………………」
少年はその手を無言で掴み、立ち上がった。
「いい返事だ……。」
男がそう言ったのと同時に落雷が轟音を響かせた。
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