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「よしっこんなもんか」
準備運動を済ませ、準備万端。
となれば、残りのやることは一つだけ。
「異能力-疾風-」
そう、俺が呟くと同時に俺の体の周りに疾風が吹き荒れる。
この風にどんな意味があるかって言うと、こういうことだ。
「よっと」
軽く足を一歩踏み出す。
普通ならこれで一歩分、進むだろう。俺だってそうだ……普通ならな。
俺の体は一歩踏み出したまま、地に足を付けることなく路地裏を風のような速さで突き進む。
「路地裏でラッキーだったな。こんな危ない行為、人通りが多い街中なんかで絶対出来ないし。人にぶつかりでもしたら一大事だ」
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