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杉本さんには悪いけど､モデルになってもらお｡
杉本紘平､通称｢杉サマ｣――黒髪の似合う白い肌と､整った面立ちの持ち主である彼は､佇むだけで絵になる､基地に勤務する女子の憧れであり､まさに癒し｡
その麗人に白羽の矢を立てた今日から､ようやく作業に取り掛かれそうな気がしていた｡
設定は､ありがちだけど学園ものでいいか……｡
強い創作意欲に掻き立てられる今､時計の針が気になって仕方がない｡
早く定時になればいいのに……と思う彼女は､伝票の束に電卓を入れ始めた｡
すると｡
｢真琴｣
すぐ傍で１トーン低い声がして､真琴は飛び上がった｡
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