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「謝礼として、何か奢ってくださいよ」
「やっぱりそうきたか、しようがねえなあ」
苦笑する正嗣は腕を組んで、
「じゃあー……今日。飯食いに行く?」
今日……?
真琴は一瞬躊躇ったが、ご飯食べてからでも書けるし――と合理的な判断を下すと、大きく頷いた。
「正嗣兄い、ゴチになります」
「心苦しいが、割高なとこは行けないぞ」
「もちろんです」
指でOKサインを作ってみせる。
給料日前なのは承知している。
少々引きつった笑顔の正嗣に、そこまで迷惑をかけるつもりはなかった。
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