真琴、二十二歳。

１．

｢正嗣さんはお肉食べます？｣
｢たまに｣
｢給料､一体何に使ってるんですか｣
｢飲みかな｣
｢この､飲み隊長｣
真琴はさらりとしたミディアムボブの髪を耳にかけて苦笑いすると､正嗣を肘で小突いた｡
｢外で飲んでばかりだと､メタボ体型になっちゃいますよ｣
｢問題ないね｣
自信ありげに笑う正嗣｡
｢飲んで太る飲み方しなきゃいいんだ｣
｢飲みの達人みたいな事言ってますけど｣
真琴は呆れ顔｡
｢飲みに外食ばかりなんでしょ？たまには家でまともな食事取った方がいいですよ｣
｢休みはそうしてる｣
正嗣は店員に声をひそめて追加注文をし､
｢一人暮らしだと､帰宅してから作るのが面倒い｣
｢うーん……確かに｣