ひとつめ

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「えっと、桜木春です!あの、その…… 遅刻してすみませんでした!!!」 教壇の机の上に登り土下座をする春を見て教室がより一層ざわつき始める。 「なんだあいつウケ狙いか?」 「ちっちぇーな……」 「えっ?男?女?」 「か、かわいいでござるデュフフ」 「いつまでそこで土下座をしているつもりだ。早く自分の席につけ」 もう一度電流を流してやろうかと言わんばかりの目で睨まれ春は即座に教壇から降りることとなった。 そして教室を見渡し空いている席を探す、が、なかなか見当たらない。 灯台もと暗し、といったところか。教壇の目の前、つまり最前列の中央の席が空いていた。 「一年間その席でしっかりと学習に励むように、桜木春」
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