ひとつめ

14/14
前へ
/45ページ
次へ
「これだけは肝に銘じておけ」 それまでよりも強い口調でクラスを煽る。 「絶対に道を逸れるな。間違った使い方をするな。自分の能力と向き合え。それが出来ないようなやつがいたら……分かっているだろうな……」 九鬼が手にしていたチョークを宙に放る、そして放電。 跡形もなく散ってしまったチョーク。 その姿に各々が自らを重ね、心の中で誓った。 この教師には反抗すまいと。 「俺からは以上だ。今後の日程だが、本来ならば今日身体検査がある予定だったがどうやら業者の方に不具合が生じたらしく一週間後に延期されることとなった。 なので今日は新入生は帰宅してもいいとのことだ」 九鬼の話で静まり返っていたクラスが少し明るくなった。 「あぁ、それともう一つ。 この学校はあくまでも高等学校だ。能力の開発などのカリキュラムと並行して通常の教育も行われる。」 「中間考査や期末考査で他のクラスよりも出来が悪かった場合……分かっているな?」 九鬼の右腕に電流が走ることでその脅し文句は確実なものとなった。 こうして桜木春の高校生活は始まったのだった……
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加