ひとつめ

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そんな高倍率の難関をくぐり抜けた新入生が一人、校舎へ続く長い坂を登っている。 「くっそ……入学式だってのに遅刻なんてありえねぇ!!」 必死に坂を登る一人の少年。 少年といっても彼は桜ヶ丘高等学校の新入生、一応高校一年生なのだがその低い背丈と顔の造りから少年といった表現が正しいであろう。 そんな少年の名は桜木春(サクラギハル ) 「と、登頂完了……」 坂を登りきった彼は膝に手を着き呼吸を整える。 そして腕時計に目をやると短い針は9を、長い方の針は12を指していた。 「入学式は8時半からだから……くっそぉーーー!!!」 完全に呼吸を整える暇もなく彼はまた走り出した。
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