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男性の後に着いて校内を歩く。
その方向は本来入学式が行われている体育館とは逆の方向であることに春は気付く。
「どうして入学式が行われている方へ行かないのか、という疑問を抱いているのか?」
振り向きもせず男性は春に問い掛けた。
春は自分の考えが全て筒抜けてしまったという表情を浮かべる。
(ま、まさかこの人……人の心が読める「安心しろ、俺の能力は念話や精神感応といった類のものではない」)
「絶対嘘だろ!」
春はその突っ込みに対して後悔の念を抱くこととなる。
男性は振り返り、無表情のまま春の頭に手を添える。
「教師に向かってタメ口とは何事か」
瞬間。春の体に電流が流れる。
比喩ではなく実際に流れたのである。
春はその場に硬直してしまい、軽い痙攣を起こしてしまった。
「次に気安い言葉で話しかけてきたら手加減は出来ないからな」
「ひゃ、ひゃい……」
舌も痺れてしまい上手く返答できなかったが、誠心誠意をこめた「ひゃい」であった。
「さて、ここが貴様のクラスだ」
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