あぶくたった

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コウに無理矢理引っ張られて、私達は事件現場へと向かった。      「ほら、あそこの家…」 コウが指差す方には古い2階建ての家があり、パトカーと村人が集まっていた。           ブルーシートの中から警察達が出てくる。                     「あっ……!」 思わず声を出してしまった私。 ブルーシートが風で少しだけめくれる。                     一瞬だけしか見えなかったけれど、確かに私は見た。      警察達が持っていた巨大な鍋… その淵には血液がこびりついていた。 そして鍋が揺れるたび、鍋の中からお湯がこぼれる。      ほんの少しだけ赤かったお湯が―…
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