ゆ~かいぶ①

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「えー、ですから、この学校の規則を守って、楽しく生活するように。そして――」  入学式、皆が校長の話を聞き流してきた頃、 「もう少しで校長の話終わるよ、そろそろ起きて」  一人の女子が小声で俺に話し掛け、肩を軽く揺する。 「……もう少し……」 「もう、慶汰ったら~……」   なんだかんだで話が終わる直前で俺は目を覚ました。  校長の礼をすると、周りの生徒が拍手をし始めたのでそれに続いて俺も拍手をした。  入学式が終わり、そしてHRも終わった放課後のこと……。 「さーてと、部活勧誘でもすっかな~」  俺こと瀬野慶汰は部活勧誘とかっこいいことを言っていたが、特に勧誘方法を考えてもいないので適当にぶらつく。 「ん……なんだあの子?」  目の前には部活勧誘ポスターを見ている二人組を見つけた。しかし、一人は髪の色がおかしい。  ちょっと話かけてみっかな。  そう思い、近づき声をかけようと思ったら、 「……ん? ゆう、かい……ぶ?」 「は、誘拐部?」  お、興味でもあるのかな? ちょっと聴いてようかな。 「いや、遊ぶに快感の快に部活……って書く」  ん~……タイミング的には今かな。 「ほほう、遊快部に興味がおありで?」  案の定二人とも驚き、俺の方を見る。 「おっと、驚かせてしまったな。俺は瀬野慶汰、遊快部の部長だ」 「ど、どうも……」  俺は男子の方と握手を交わした。 「あ、俺は山本哲也です」 「哲也って言うのか、よろしくね。そして、そこの彼女さんは?」  俺は七色に光る髪の女の子を見る。 「か、彼女じゃありません、友達です! そして、谷口純です」  純は顔を真っ赤にして怒鳴った。 「そっか、残念。それじゃ、もし遊快部に入るなら歓迎するよ」  俺は純と哲也に手を振り、部室へと足を運ぶ。  このことをあいつに知らせないとな、きっと喜ぶぞ~。
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