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「えー、ですから、この学校の規則を守って、楽しく生活するように。そして――」
入学式、皆が校長の話を聞き流してきた頃、
「もう少しで校長の話終わるよ、そろそろ起きて」
一人の女子が小声で俺に話し掛け、肩を軽く揺する。
「……もう少し……」
「もう、慶汰ったら~……」
なんだかんだで話が終わる直前で俺は目を覚ました。
校長の礼をすると、周りの生徒が拍手をし始めたのでそれに続いて俺も拍手をした。
入学式が終わり、そしてHRも終わった放課後のこと……。
「さーてと、部活勧誘でもすっかな~」
俺こと瀬野慶汰は部活勧誘とかっこいいことを言っていたが、特に勧誘方法を考えてもいないので適当にぶらつく。
「ん……なんだあの子?」
目の前には部活勧誘ポスターを見ている二人組を見つけた。しかし、一人は髪の色がおかしい。
ちょっと話かけてみっかな。
そう思い、近づき声をかけようと思ったら、
「……ん? ゆう、かい……ぶ?」
「は、誘拐部?」
お、興味でもあるのかな? ちょっと聴いてようかな。
「いや、遊ぶに快感の快に部活……って書く」
ん~……タイミング的には今かな。
「ほほう、遊快部に興味がおありで?」
案の定二人とも驚き、俺の方を見る。
「おっと、驚かせてしまったな。俺は瀬野慶汰、遊快部の部長だ」
「ど、どうも……」
俺は男子の方と握手を交わした。
「あ、俺は山本哲也です」
「哲也って言うのか、よろしくね。そして、そこの彼女さんは?」
俺は七色に光る髪の女の子を見る。
「か、彼女じゃありません、友達です! そして、谷口純です」
純は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「そっか、残念。それじゃ、もし遊快部に入るなら歓迎するよ」
俺は純と哲也に手を振り、部室へと足を運ぶ。
このことをあいつに知らせないとな、きっと喜ぶぞ~。
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