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ある所に。
世界から逃れたくて
苦しくて 辛くて
どうしようもない少女が
居ました。
少女は青年に言いました。
「死にたい、」と。
青年は ただ 少女に
寄り添いました。
少女が瞳を閉じたのを
見ると青年は
ゆっくり少女に囁きました。
「此処は、白い部屋です。
僕達は其処に二人きり。
一緒に座っています。
ずっと ずーっと一緒です。」
(白い部屋…。二人…。
ずっと…。暖かい…
シアワセ…。きれい…)
汚い世界に壊された
少女にとってその世界は
唯一無二の綺麗な世界で
深い絶望や闇 人間の欲に
壊された少女にとって
其処は唯一無二のシアワセな
場所で。
愛する人とずっと二人。
座れるだけの小さな小さな
世界
けれど少女にとっては
何よりも大切な
場所になりました。
しかしある日。
小さな小さな世界は
壊され踏みにじられて
しまいました。
少女は泣き崩れ狂い
壊れました。
そこにボロボロの青年が
やってきて言いました。
「大丈夫だよ。僕がまた
新しい部屋を作るから。
大丈夫だよ。
愛してるから大丈夫だよ。
僕が君の居場所に
なってあげるから。
大丈夫だよ。」
少女は泣きました。
嬉しくて嬉しくて
泣きました。
初めて嬉しくてシアワセで
泣きました。
今日もひっそり。
小さな小さな部屋で
少女と青年は寄り添います。
シアワセそうに
瞳を閉じながら微笑んで―…
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