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「今の不意討ちじゃね?」
和弘はタバコを捨て翔に言った。
「喧嘩中によそ見してるこいつが悪い。」
翔はそう言いながら和弘と、倒れてる池添に背を向け体育館に繋がる通路で待つ結衣の元に歩いていった。
「ふぅ、疲れた~。もう大丈夫だぜ結衣。」
笑顔で結衣に話しかける。
「全く、せっかく止めたのに。バレたら退学になるよ?次の停学で3回目だし。」
翔は1年時に1回、2年時に1回とすでに2回の停学を喰らっている。
「大丈夫だって、いつものことだしな。……はっ!!」
翔はそう言った瞬間に顔が青ざめた。
反対に結衣の顔は真っ赤になっている。
「いつものこと?へ~、あんたいつも私に隠して喧嘩してるんだ?」
結衣が詰め寄る
「い、いや、今のは無しに……ならねえよな?」
翔はそう言ってすぐに走り出した。
結衣もすぐさま追い掛けだした
「待て、こらー」
「悪い、勘弁してくれー!」
2人は中庭を走り回る。
「…馬鹿翔。」
和弘はそんな2人を笑顔で見つめていた。
「…っく、あのやろう、絶対許さねえ。」
目が覚めた池添はそう呟いた
「おい和弘、てめぇも許さねえからな…!」
和弘はそう言われるとすぐ横でまだ倒れてる池添の顔面を蹴りあげた。
「うるせえんだよ。」
そう呟くと和弘はまたタバコを取りだし、すぐ近くを走り回る2人に声を掛けた。
「よーし、教室帰ろうぜ!」
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