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「仕事探せよ、負け組。」
少年はその会話をそう締め括り、トドメを刺 した。男は電話を切ったらしく、携帯の向こ うに静寂が訪れる。 少年は戦いを終えた戦士さながらの一息をつ いて自問自答した。
(何やってんだろな、俺)
ある友達は言った。度が過ぎるイタズラである、と。警察沙汰になった時には両親がきつく冗談は止めろと催促した。
しかしこの「架空請求に電話」等という行為はスリルを楽しむイタズラで も、被害者への同情から来る正義の行いでもない。
自己満足だ、と少年は思う。偽善者になっている訳でなく自分がそうしたいからしているという単純な本能から来る物であった。
昔親に自分の好きな事をやればいい、と教科書に書いてあるような決まり整った台詞を言われた。
「くだらない」
少年は薄暗い小部屋の唯一の光源である小型のノートパソコンに目をやる。
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